
長野県木曽郡大桑村にある「阿寺渓谷」。
透き通ったエメラルドグリーンの川、いわゆる「阿寺ブルー」で知られ、渓谷内にはいくつもの淵や見どころがあります。
私たちは今回、阿寺渓谷キャンプ場に2泊しながら、滞在中にいくつかのスポットを実際に巡ってみました。
写真で見るとどの場所もきれいで気軽に行けそうに見えますが、実際に歩いてみると、淵によってはかなり急な斜面や足場の悪い場所もあり、想像以上に体力を使いました。
それでも、苦労して降りた先で見る阿寺ブルーはとても美しく、場所によって水の色や景色が少しずつ違うのも印象的でした。

事前にいろいろ調べてから訪れましたが、実際に歩いてみて初めて分かったことや、現地で気づいたこともたくさんありました。
この記事では、私たちが実際に訪れた阿寺渓谷の淵や見どころを中心に、歩いて感じた道の様子や服装・靴、子ども連れで注意したいポイント、川遊びなども紹介します。
これから阿寺渓谷を散策してみたい方の参考になればうれしいです。
「阿寺渓谷キャンプ場」については別記事で紹介しています。

※この記事は2026年8月に訪れた際の情報をもとに作成しています。
阿寺渓谷の淵・見どころを実際に巡ってみた
阿寺渓谷には、牛ヶ淵・うなり島・熊ヶ淵・六段の滝など、いくつもの見どころがあります。
まずは全体の位置関係を把握しておくと、どの順番で巡るかイメージしやすいです。

私たちは初日に牛ヶ淵を訪れ、2日目はハナノキ周辺から遊歩道を歩いて六段の滝やうなり島を巡り、その後は熊ヶ淵まで足を延ばしました。上記の阿寺渓谷の地図を参考にすると距離感や時間の配分の参考になると思います。
牛ヶ淵
牛ヶ淵は、その形が牛の姿に似ていることから名付けられたと言われています。阿寺渓谷の中でも特に深い淵で、濃い青色の阿寺ブルーが印象的なスポットです。

私たちは初日に、阿寺渓谷キャンプ場から歩いて向かいました。キャンプ場から一番近いスポットです。深さがあり、高台から飛び込めるスポットもあるため、今回ぜひ行ってみたかった場所のひとつです。
すでに1グループが遊んでいて、高台から飛び込んでいる人もいました。水深があるため、浮き輪やライフジャケットなどの安全装備は必須だと感じました。

また、牛ヶ淵に限らず、道路から淵へ降りる道は場所によってかなり険しく、両手がふさがっていると危険です。荷物はできるだけ少なくし、両手を空けて移動できるようにしておくと安心です。

水温は15℃以下に感じるほど冷たく、長時間入っているのはかなり厳しい冷たさでした。それでも、水の透明度と青さは本当にきれいです。
牛ヶ淵は比較的日が差す時間も長く感じたので、気温が上がってから最後に立ち寄って遊ぶのも良さそうだと思いました。

ハナノキ周辺の川遊びスポット
2日目は朝から、阿寺渓谷のスポット巡りをスタートしました。
シャトルバス停留所の近くにはキャンプ場利用者専用の駐車スペースがあり、(ハナノキスポット)私たちはそこに車を止めて、遊歩道を歩きながら淵めぐりをすることにしました。

まず立ち寄ったのは、ハナノキの駐車場から川へ降りてすぐの場所です。名前の付いた淵ではありませんが、水の透明度が高く、間近で阿寺ブルーを楽しめました。

比較的浅めの場所もありますが、場所によっては流れが強いところもあります。このときは犬連れの方も川遊びを楽しんでいて、少し離れた場所では渓流釣りをしている方もいました。


私たちが訪れたのは朝9時ごろ。まだ一般の観光客はほとんどおらず、キャンプ場利用者が中心でした。混雑する前の静かな阿寺渓谷で川遊びを楽しめたのは、キャンプ場に泊まったからこその良さだと感じました。

六段の滝
ハナノキスポット(駐車場の場所)から、「遊歩道一周1.2km」のコースを巡ることにしました。まずは最初の目的地、六段の滝へ向かいます。

途中には案内板があり、私たちが歩いたルートでは六段の滝まで約280mと表示されていました。

遊歩道の途中には吊り橋がいくつかあり、渡りながらさらに奥へ進んでいきます。

吊り橋の上からは、先ほど川遊びをしたハナノキ周辺の川辺も見渡すことができました。
上から見ると川の透明感や阿寺ブルーがさらに美しく見えました。

「遊歩道」と聞くと気軽に歩ける道を想像していましたが、実際には石や木の根が多く、場所によってはアップダウンのある山道が続きます。少し不安になりながら進みましたが、ちょっとした散歩というより、トレッキングに近い感覚でした。
かなり体力も使い、普段から体力には自信がある私でも、ちょっとした筋トレのようでした(笑)。

しばらく歩くと、木々の間から滝が見えてきます。近づくにつれて水の音も大きくなり、森の中に突然現れる滝の景色がとても印象的でした。
六段の滝は、阿寺ブルーの淵とはまた違った自然を楽しめるスポットです。近くまで行くと水の勢いもしっかり感じられ、山林の中にいることを実感できる場所でした。

滝の近くには、石を積み重ねたものがいくつかありました。私たちもその雰囲気に合わせて、記念に小さく石を積んで帰りました。良いことあるかな??

現地には「遊歩道一周1.2km」と案内されていますが、実際はくねくねした山道が続くため、距離以上にしっかり歩くコースです。途中では、疲れて引き返している方の姿も見かけました。
滑りにくいトレッキングシューズなどで歩くと安心ですし、「1.2kmだから気軽に歩けそう」と思わず、ある程度しっかり歩くつもりで向かうのがおすすめです。

さらに進んでいきます。

うなり島
六段の滝をあとにして、次に向かったのがうなり島です。

うなり島には、昔この場所に駆け落ちして暮らしていた男女にまつわる、少し悲しい言い伝えが残っているそうです。女性のうなり声と男性の泣き声が、雨で増水した夜に聞こえるようになったことから、「うなり島」と呼ばれるようになったともいわれています。
そんな少し怖い由来とは対照的に、実際に到着してみると、目の前に広がっていたのはとてもきれいな阿寺ブルーでした。

うなり島に着くまでの道のりはなかなかハードで、途中で挫折しそうになりながら進んだこともあり、到着したときの感動はひとしおでした。
ちょうどキャンプ場で隣のサイトに泊まっていた親子が川遊びをしていて、このときは私たちを含めて2組だけ。小さな子どもがここまでトレッキングしてきたことにも驚きつつ、アクティブな親子だなあと感心しました。
到着すると、その親子から「ここって、うなり島で合ってますか?」と聞かれました(笑)。
遊歩道を歩いていると、木々の間から突然きれいな川辺が現れるような場所なので、初めて訪れると「ここで合っているのかな?」と少し不安になるのも分かる気がします。
親子と交代しながら飛び込みをしたり、水の中に入ったりと、ここでは思う存分川遊びを楽しみました。浅瀬になっている場所もあり、小さな子どもでも水遊びを楽しめそうでした。
ただし、道路側から訪れる場合でも淵まで降りる道は少し険しく、足元には注意が必要です。岸側は川底の石が見えるほど透明で、少し奥へ行くにつれてエメラルドグリーンが濃くなっていく景色も印象的でした。

しばらくすると親子も戻り、気づけば周りには私たち2人だけに。
木々と川に囲まれた静かな空間で、まるで無人島に2人だけいるような感覚になりました。たくさん記念写真を撮り、誰もいないうなり島でゆっくり過ごせたのは、とても貴重な時間でした。
時間が経つにつれて日差しも強くなってきましたが、阿寺川の水は相変わらずひんやり。夏の日差しと水の冷たさがちょうどよく、川に入っているのがとても気持ちよかったです。
道のりは少し大変でしたが、それも含めて、うなり島は今回の阿寺渓谷散策の中でも特に印象に残ったスポットになりました。つり橋から見た遠くに見えるうなり島もきれいでした。

熊が淵
うなり島をあとにして、次に向かったのが熊ヶ淵です。熊の出没が多く、水浴びをしているのをよく見かけられたそうです。

熊ヶ淵は、今回巡った中でも特に阿寺ブルーが美しく感じたスポットでした。上から見下ろすと、透き通った水の中まで岩がはっきり見え、深い部分になるにつれてエメラルドグリーンが濃くなっていく景色は本当にきれいでした。

一方で、私たちが巡ったスポットの中では、川辺まで降りるのが一番大変だった場所でもあります。急な斜面や足場の悪い場所があり、「ここまで降りるの?」と思うほど。
無理に川辺まで行かず、上の岩場から阿寺ブルーを眺めている方も多く、それだけでも十分満足できる景色だと思います。
熊ヶ淵は観光スポットとしても知られているため、私たちが訪れたときは、これまでの場所より人が多く、上から景色を楽しんでいる方の姿もたくさん見られました。
私もなんとか川辺まで降りて、少し水に浸かってひと休み。やっぱり水はかなり冷たく、私は途中で上の岩場へ戻り、そこから景色を楽しむことにしました。
彼はそのまま楽しそうに泳いでいて、私は上からその様子を眺めていました。透明な阿寺ブルーの中を泳いでいる姿は、上から見ると本当にきれいな光景でした。
熊ヶ淵は、川遊びをしなくても、上から眺めるだけで阿寺ブルーの美しさを十分に感じられる場所です。川辺まで降りる場合はかなり足場が険しいので、無理をせず、自分の体力や装備に合わせて楽しむのがおすすめです。
阿寺渓谷を訪れたなら、熊ヶ淵の阿寺ブルーはぜひ一度見てほしい景色です。

美顔水
阿寺渓谷キャンプ場内には、「美顔水」と呼ばれる湧き水があります。
かつてこの山を管理していた尾張藩の役人の奥方が、この冷水で顔を洗ったところ色白の美人になったことから、「美顔水」と呼ばれるようになったといわれています。

もちろん私も、滞在中に何度も美顔水で顔を洗いました(笑)。
実際に触れてみると、とにかく冷たい!暑い夏でもひんやりしていて、まるで氷水のような冷たさでした。飲んでみてもおいしく、これまであまり体験したことのない冷たさの湧き水でした。
キャンプ場では、美顔水で飲み物や食材を冷やせるようにカゴを貸してもらうことができます。私たちも実際に利用して、飲み物を冷やしたり、食事の準備に使ったりしました。

特に印象に残っているのが、美顔水で信州そばを冷やして食べたことです。
冷たい湧き水でしっかり締めたそばは、夏のキャンプにぴったり。長野といえばそばも有名なので、気に入って2日連続で食べました。阿寺渓谷の自然の中で味わうこともあって、いつも以上においしく感じました。

美顔水は、見るだけのスポットではなく、実際に触れて、その冷たさを感じながら楽しめるのも魅力です。
阿寺ブルーとはまた違った阿寺渓谷の自然を感じられる場所なので、キャンプ場を利用する方はもちろん、散策やレンタサイクルで阿寺渓谷を巡る方も、時間に余裕があれば立ち寄ってみるのもおすすめです。
阿寺渓谷を実際に歩いて感じた注意点
実際に「遊歩道」を歩いてみると、「遊歩道」という言葉から想像していたよりもしっかりした山道でした。
石や木の根が多い場所、アップダウンのある道、淵まで急な斜面を降りる場所などもあり、スポットによって難易度はかなり違います。私たちも何度か「ここを本当に降りるの?」と思う場所がありました。川辺まで降りるのが大変な場所では、無理をせず、上から景色を楽しむだけでも十分だと思います。
また、メイン道路を軸にすれば、淵めぐりは比較的スムーズにできます。
いろいろなスポットを効率よく回りたい方は、無理に遊歩道を歩かなくても十分楽しめますし、レンタサイクルを利用されている方もたくさんいました。
滑りにくい靴とリュックがおすすめ
散策するなら、滑りにくく歩きやすい靴があると安心です。遊歩道では石や木の根につまずきやすく、淵へ降りる場所ではさらに足元が不安定になります。
荷物もできるだけリュックなどにまとめ、両手を空けて歩けるようにしておくと安心だと感じました。
私たちはライフジャケットを着用し、厚めのマリンシューズやクロックスを使いながら巡りました。シュノーケルや貴重品などはショルダーバッグに入れて持ち歩きました。
小さな子ども連れは無理をしない
実際に小さな子どもと一緒に歩いている家族も見かけましたが、すべての淵が気軽に降りられるわけではありません。浅瀬のある場所でも、そこまで向かう道が険しいことがあります。
また、川の中も急に深くなる場所や流れが強い場所があるため注意が必要です。
子どもの年齢や体力、その日の道や川の状態を見ながら、無理のない範囲で楽しむことが大切だと思います。
川遊びは安全装備を忘れずに
阿寺川の水はとても透明ですが、夏でもかなり冷たく感じました。また、一見穏やかに見える場所でも、水深や流れは場所によって違います。
川遊びをする場合は、ライフジャケットやマリンシューズなどの安全装備を用意しておくと安心です。
水がきれいだからこそ入りたくなりますが、本当に水温は低いので、冷たさや流れを確認しながら無理をせず楽しむのがおすすめです。
まとめ|阿寺渓谷は時間をかけて巡りたい場所
阿寺渓谷は、写真で見る以上に水の透明度が高く、場所によって阿寺ブルーの色や景色が少しずつ違うのが印象的でした。
今回は、ハナノキ周辺から遊歩道を歩いて六段の滝やうなり島を巡り、その後は遊歩道を外れて熊ヶ淵まで足を延ばしました。途中で川遊びや写真撮影も楽しみながら、気づけば3〜4時間ほど阿寺渓谷で過ごしていました。
また、彼は朝と夕方に渓流釣りも楽しみ、川遊びとはまた違った阿寺渓谷の時間を満喫していました。朝夕の静かな時間に川と向き合えるのも、キャンプ場に泊まったからこそ楽しめた過ごし方だったと思います。キャンプの合間には、キャンプ場近くの川沿いを散歩したり、気軽に水辺へ立ち寄ったりと、滞在中は何度も阿寺渓谷の自然を楽しめました。

メイン道路を軸にすれば、見どころや淵を比較的スムーズに巡ることもできます。一方で、遊歩道を歩いたり、実際に川辺まで降りたりすると、阿寺渓谷の自然をより近くで感じることができました。
とはいっても、私自身も最初は「どこを回ればいいの?」と迷いました。
私のおすすめは、ハナノキ周辺の川辺・うなり島・熊ヶ淵です。この3か所だけでも、十分にきれいな阿寺ブルーを楽しめると思います。

シャトルバスを利用する場合は滞在時間も限られるため、まずはこのあたりを中心に巡るのがおすすめです。レンタサイクルを利用する方や、もう少し時間に余裕がある方は、牛ヶ淵まで足を延ばしてみるのもいいと思います。
阿寺渓谷には、有名な淵だけでなく、歩いている途中にもきれいな川辺や小さな淵がいくつもあります。自分だけのお気に入りの場所を探しながら巡るのも、阿寺渓谷の楽しみ方のひとつだと思います。
ただし、川辺まで降りる道がかなり険しい場所もあります。無理に降りず、上から阿寺ブルーを眺めるだけでも十分楽しめるので、自分の体力や装備に合わせて楽しむのがおすすめです。
「阿寺ブルーを見てみたい」という方はもちろん、自然の中を歩いたり、自然豊かな渓谷で夏の川遊びを思いきり楽しみたい方にもおすすめしたい場所です。
また夏になったらゆっくり巡りたいと思える、思い出深い場所になりました。
参考になれば、嬉しいです。

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